ルビーのいろいろなインクルージョン
めずらしいルビーのインクルージョン画像です。
12/5に行われたルビーセミナーの時にモリス千代松君が持っていたルビーや当店のルビーを40倍の顕微鏡で撮影しました。
これはミャンマー産無処理のルビーです。シルク(針状ルチル)インクルージョン、スタッビー状結晶インクルージョン、が確認できますが、この結晶はサファイヤです。
結晶インクルージョンはルビー以外の物が内包される事が多いようで、サファイヤやガーネットであったりします。
高温のマグマが地殻変動で大陸移動した際の高圧下で結晶する(1cmのルビーになるのに8億年かかるといわれています。)時に取り込まれる自然の神秘です。
こちらはまためずらしい、インクルージョンの見当たらないミャンマー産無処理のルビーです。
自然の結晶で内包物がないと言う事も滅多にある事ではないので貴重です。
こちらもミャンマー産ルビーですが、加熱処理石です。
全体に霞んだような印象のインクルージョンはシルク(針状ルチル)インクルージョンが溶けて微小になったものです。
ファセットをまたぐカーブラインが見えます。この石はベルヌイ法(火炎溶解法)の合成ルビーです。世界で一番最初に作られた合成宝石で、1904年にフランスの科学者ベルヌイによって考案されました。日本でも戦前から輸入され、色石、ルビーとして大量に販売されていました。
現在は主に工業用途(レーザーなど)を目的として広く量産されています。
最後にまたミャンマーナムヤー鉱山産のルビー・ナチュラル(無処理)です。
A-6 ジェムクォリティー、欧米でピジョンブラッドと呼ばれる最高のカラーです。
結晶インクルージョンとミャンマー産の特徴である糖蜜上組織が確認できます。
無処理の宝石を顕微鏡で観察すると、大自然の作り出した小宇宙、数億年の時が内包されているその内部に釘付けとなってしまい、いつまで見ていても飽きないのです。
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