2009年07月07日
美ら海からの奇跡の贈り物 黒蝶真珠誕生物語

6月に行った黒蝶真珠&コンクパールフェア、好評のうちに終了いたしました。
20年以上前に初めて見た時の黒蝶真珠の赤や緑の干渉色の美しさは未だに忘れません。
こんな美しい真珠ができるのか!と、本当に驚いたものです。
実は、先月6月に同業者の仲間から石垣島、西表島の琉球真珠、黒蝶真珠養殖場視察ツアーに誘われていたのです。
み、見てみたい!なんというタイミングだろうと思いましたが、なかなか急に4日間も店を空けられず断念し、仲間達から素晴らしい画像をお借りいたしました。

沖縄、石垣島の川平湾。見ての通りの琉球ブルーの透き通った海。ここが世界で始めて琉球真珠会長、渡嘉敷 進氏が黒蝶貝の養殖に成功した地であります。
戦後、たくさんの業者が黒蝶真珠養殖にトライしたそうですが、台風や、母貝の不足、技術不足で全ての業者が断念、沖縄から去っていきました。しかし、理想に燃える渡嘉敷会長ただ1人だけは決して諦める事無く18年の歳月を費やし、とうとう黒蝶真珠養殖に成功したのです。

下の写真は、石垣島川平湾、西表島の養殖場です。母貝を人工授精し、増やすところから真珠養殖は始まります。
数ミクロンの稚貝を、精密ろ過浄水機を通した海水で人工培養したプランクトンを与えながら大事に大事に育てていきます。
お互いにくっつきやすい稚貝を毎日のよう手作業で離し、洗い、病気に掛からないようにまるで赤ちゃんを育てるような感覚でしょう。




一年で、ようやく外海で稚貝を育てる事ができます。湾内の水温、潮の良いところを選びながら稚貝の生育は続きます。
やはり丁寧に藻や汚れをとったり、洗ったりは欠かせません。貝が窒息して死んでしまうからです。
そうして3年でようやく核入れをして真珠養殖ができるようになるのです。




黒蝶真珠は挿核されてから浜揚げまで2年間養殖します。アコヤ真珠は1年ですので2倍の期間がかかります。
そうして、真珠層の巻きの厚い黒蝶真珠は生まれます。

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この時点で真珠と言う命が生まれ、母貝の黒蝶貝は死んでしまいます。
命がけで真珠を守り、産んで亡くなって行くのです。
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このたった一粒の黒蝶真珠が生まれるまでに6年の歳月と、途方もない労力、そして執念にも似た、人々の汗と涙の結晶なのです。そう、思うとどんな真珠でも粗末にできない気がしてなりません。
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環境破壊が進めば、いつしか黒蝶貝も養殖する事が難しくなってくるのではないでしょうか?
日本のアコヤ養殖もどんどん業者が撤退しているようです。かつては静岡県沼津でも真珠養殖が行われていた程、日本の海は綺麗だったようですが、40年ほど前にすでに廃業してしまったとか・・・・そこで作られた真珠を真珠養殖場が実家と言う方に何ヶ月か前に見せていただいたのですがそれはそれは素晴らしい真珠でした。


先月の黒蝶真珠フェアーのDMでも告知させていただいたのですが、フェアーの売上金のほんの一部ですが、石垣島の美ら海・美ら山募金推進協議会さんに寄付させて頂きました。
いついつまでも、子々孫々絶対にこの海を、この地球を汚してはならない。
Posted by まこちゃ at 04:12│Comments(0)
│黒蝶真珠