2008年05月03日
エレクトリックブルーの輝き、パライバ・トルマリンリング

今年の年賀状の写真に使ったパライバトルマリンのリングです。
先日めでたくお嫁入りとなりました。


このパライバトルマリン(1.45ct)について少し説明いたします。
産地はアフリカ、モザンビークです。
パライバという名は元々発見されたブラジルのパライバ州から取られたものですが、2006年5月1日より日本の宝石鑑別団体協議会(A.G.L)では、トルマリンの化学組成を調べて、銅(Cu)とマンガン(Mn)を含んだエルバイトトルマリンで色相がカラーブックの2.5G(帯黄緑色)~5PB(紫青色)、明度と彩度が中程度であるトルマリンは産地に関係なく全てパライバ・トルマリンと呼ぶ事に決定されました。現在では各国がこの流れに沿ってきています。
処理は加熱処理です。 殆どのパライバ・トルマリンは加熱処理が施されています。
しかし、ブラジル産の一部ではナチュラルで綺麗なブルーの石もあるようですが、希少性が高く、破格の金額になります。
また、私の見解では、ブラジル産の石はブルーの蛍光は強いが、総じてインクルージョンが多く、クリアーな石が少ない。
モザンビーク産の利点はインクルージョンが殆どない点が上げられる。宝石にとって重要な事はいかにインクルージョンが少なくてクリーンであるかと言う事ではないかと思います。
モザンビーク産のパライバトルマリンは大結晶でもインクルージョンが目に入らないほど透明度が高い。
また、輝きが大変強く、美しい石が多く、カラーレンジも幅広い。
宝石という定義として、硬度が高く、美しく、経年変化がない。と言う事が言われますが、ブラジル産で、大変ブルーの蛍光は強いが、インクルージョンがかなり多い為、透明度が低く、美しさに欠けるのでは・・・と思われる物でも、ブラジル産はかなりの高値。もし私がお客様にお奨めするなら、やはり、モザンビーク産の透明感が高く、出来るだけブルーの濃い物を奨めます。
それでもブラジル産の1/3程度の金額でお買い求めいただけるのではないかと思います。
しかし、それも昨年末位からモザンビーク産のパライバもかなりの高騰が続いているようです。バンコクに行っているバイヤーに聞いたところ、ブラジル人がモザンビーク産パライバを買い占めているとか・・・?
ひょっとして産地偽装で、ブラジル産で出回るのではないか?と気になりました。
左:美しい大粒のモザンビーク産パライバトルマリン。
右:モザンビーク産ならではの快挙。 パライバトルマリン ネックレス、イヤリングセット
Posted by まこちゃ at 09:24│Comments(0)
│パライバトルマリン